第119回医師国家試験

B-46

問題

70歳の女性。心窩部痛を主訴に来院した。
現病歴:1週間前から空腹時に軽度の心窩部痛を自覚していたが、昨日から増悪したため受診した。悪心はなく、食欲は保たれている。その他の症状として、1か月から持続性の腰痛がある。
既往歴:10年前から高血圧症でカルシウム拮抗薬を服用している。
生活歴:喫煙歴はない。食生活や体重に変化はない。
現 症:意識は清明。身長154 cm、体重55 kg。体温36.0℃。脈拍96/分、整。
血圧108/56 mmHg。呼吸数22/分。SpO2 99 % (room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺と頸部リンパ節を触知しない。心基部にLevine 1/6の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。腸雑音に異常を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。

医療面接は以下のように続いた。
医師「①お酒は飲まれますか」
患者「全く飲みません」
医師「②便の色はどうですか」
患者「流してしまって見ていないです」
医師「③健康診断は受けていますか」
患者「受けていません」
医師「④血圧の薬以外に何か服用をされていますか」
患者「腰痛に対して1か月前から市販の鎮痛薬を飲んでいます」
医師「⑤自分の病気についてどう考えていますか」
患者「父が胃癌で亡くなったので、自分も胄癌なのではないかと心配です」

この患者の直腸指診で得られる便の性状で可能性が高いのはどれか。

選択肢

  1. 脂肪便
  2. 水様便
  3. 粘血便
  4. 灰白色便
  5. タール便
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