第119回医師国家試験
C-66
問題
30歳の男性。左前胸部痛と呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:格闘技の選手。試合中に左前胸部を蹴られ、試合会場近くの病院を受診した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:一人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。
家族歴:父が大腸癌。
現 症:来院時、意識は清明。身長180cm、体重98kg。体温36.4℃。脈拍96/分、整。
血圧102/72 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97 % (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。
口腔内に異常を認めない。甲状腺と頚部リンパ節とを触知しない。左前胸部に痛みを訴え、皮下出血を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察で異常を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球489万、Hb 14.2 g/dL、Ht44%、白血球11,200。血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、アルブミン4.2 g/dL、AST 36 U/L、ALT 32 U/L、LD 338 U/L (基準124~222)、尿素窒素10 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、Na 139 mEq/L、K4.2 mEq/L、Cl 1O3 mEq/L。動脈血ガス分析(room air) :pH 7.43、PaCO2 43 Torr、PaO2 84 Torr、HCO3- 28 mEq/L。胸部単純CT(別冊No.12)を別に示す。
その後総合病院へ搬入された。搬入後の状態は意識清明で、体温36.4℃、脈拍132/分、整、血圧92/52 mmHg、呼吸数30/分、SpO2 92 % (room air)であった。
酸素5L/分をマスクで投与し静脈路を確保して輸液を開始した。初回のCTから2時間後の搬送先の病院での胸部造影CTの肺野条件(別冊No.13A)と縦隔条件(別冊No.13B)とを別に示す。
搬送先の病院での胸部CTでみられる所見はどれか。
選択肢
- 左気胸
- 大動脈解離
- 縦隔気腫の増加
- 心嚢液貯留の増加
- 左胸腔内液体貯留の増加
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