第119回医師国家試験
C-70
問題
75歳の男性。転びやすさを主訴に来院した。
現病歴:3年前から、就寝中に大きな声で寝言を言ったり、手足をバタバタ動かしたりしていることに妻が気付いていた。同時期から高度な便秘を自覚するようになった。1年前から、物忘れが多くなり、日付や予定を何度も妻に確認するようになった。同時期か、①壁の模様や汚れを見て、虫が這っていると言って殺虫剤を噴霧するようになった。②入浴はひとりで可能で、③尿失禁はないが、日によっては、妻が話しかけても反応が鈍く、友人に会っても④あいさつをしなくなった。また、⑤自分が無力だと考えるようになった。1か月前からは、動作が遅くなり、転びやすくなったため心配した家族に付き添われて受診した。
既往歴:60歳から高血圧症で降圧薬を服用している。
生活歴:70歳の妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父は脳梗塞で70歳時に死亡。母は胃癌で65歳時に死亡。
現 症:意識は清明。身長170cm、体重65kg。体温36.5℃。脈拍68/分、整。血圧136/82 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール16点(30点満点)、Mini-Mental State Examination <MMSE> 19点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢に筋力低下は認めない。四肢に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。歩行はやや前傾姿勢で、歩幅は小刻みである。
診断に有用なのはどれか。
選択肢
- FDG-PET
- 頸椎単純CT
- 頸部超音波検査
- 脳血管造影検査
- ドパミントランスポーターシンチグラフィ
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