第119回医師国家試験
F-72
問題
82歳の女性。発熱と呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:3日前から発熱と乾性咳嗽が出現、2日前から労作時の呼吸困難も出現したため受診した。同居している家族を含め、周囲で上気道炎症状のある人はいない。
既往歴:2年前から特発性間質性肺炎と診断され、3か月前の急性増悪の際にステロイドパルス療法が行われ、その後漸減しながら現在プレドニゾロン25 mg/日と抗線維化薬を内服している。その他の薬は副作用のため中断している。
生活歴:喫煙歴はない。自宅で夫と息子夫婦の4人暮らし。ADLは自立。毎日近所を散歩している。室内で犬を1匹飼っている。3か月前にインフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンを接種している。
家族歴:父が82歳時に肺癌で死亡。
現症:意識は清明。身長155cm、体重60kg。体温37.8℃。脈拍84/分、整。血圧130/76 mmHg。呼吸数28/分。SpO2 88 % (room air)。心音に異常は認めない。呼吸音は両側下肺背側にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+、潜血1+。血液所見:赤血球412万、Hb 12.3 g/dL、Ht38%、白血球11,400(分葉核好中球89%、単球1%、リンパ球10%)、血小板24万、Dダイマー1.0 ㎍/mL (基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白5.1 g/dL、アルブミン3.0 g/dL、総ビリルビン0.7 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 21 U/L、LD 549 U/L (基準124~222)、ALP 39 U/L (基準38~113)、γ-GT 30 U/L (基準9~32)、尿素窒素17 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、血糖144 mg/dL、HbAlc 6.1 %(基準4.9~6.0)、Na 135 mEq/L、K 3.9 mEq/L、Cl 94 mEq/L、KL-6 4,482 U/mL (基準500未満)。免疫血清学所見:CRP 4.7 mg/dL,β-D-グルカン210 pg/mL (基準10以下)。インフルエンザウイルス迅速抗原検査陰性、新型コロナウイルス<SARS-CoV-2>抗原定性検査陰性、サイトメガロウイルス抗原陰性。胸部エックス線写真(別冊No.9A)と胸部単純CT(別冊No.9B)とを別に示す。
気管支鏡検査を行い、気管支肺胞洗浄液を採取した。
確定診断に有用な染色法はどれか。
選択肢
- Gram染色
- Grocott染色
- Congo-Red染色
- Papanicolaou染色
- Ziehl-Neelsen染色
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