第119回医師国家試験

D-64

問題

2歳の男児。発熱と左膝痛を主訴に母親に連れられて来院した。2週間前から弛張熱、跛行および下腿の皮疹がみられるようになった。1週間前から左膝を痛がるようになった。抗菌薬を内服しても解熱しないため受診した。身長84.2cm、体重10.3kg。体温38.5℃。脈拍168/分、整。血圧106/62 mmHg。皮膚は両側の下腿に径2cmの淡紅色の紅斑を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内にアフタを認めない。咽頭に発赤はなく、扁桃に腫大を認めない。両側の頸部に径1.5 cmのリンパ節を3個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm、左季肋下に脾を3cm触知する。左膝関節の腫脹と圧痛とを認めるが、可動域制限はない。赤沈90 mm/ 1時間。血液所見:赤血球390万、Hb 9.8 g/dL、Ht32 %、白血球10,400(桿状核好中球1%、分葉核好中球77%、好酸球1%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球12 %)、血小板38万、血液生化学所見:総蛋白5.8 g/dL、アルブミン3.0 g/dL、AST 33 U/L、ALT 6 U/L、LD 248 U/L (基準195~400)、CK 57 U/L (基準43~293)、尿素窒素6mg/dL、クレアチニン0.2 mg/dL、Na 37 mEq/L、K 4.3 mEq/L、Cl 1OO mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.2 mg/dL、matrix metalloproteinase-3 <MMP-3> 196ng/mL (基準37~121)、リウマトイド因子<RF>陰性、抗核抗体陰性。両膝MRIの脂肪抑制造影T1強調水平断像(別冊No.25)を別に示す。
考えられる疾患はどれか。

選択肢

  1. 川崎病
  2. IgA血管炎
  3. リウマチ熱
  4. 化膿性関節炎
  5. 若年性特発性関節炎<JIA>
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